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メーリングリストに攻撃メールが着弾 〜 受信者の多いメーリングリストは特に注意

Securityチーム オーナーの松田です。
近年、フィッシングメールの攻撃事例が非常に多く報告されています。メールのフィルタリングなどのセキュリティ対策によって、普段の業務で実際のフィッシングメールを目にする機会は、それほど多くないかもしれません。そのため、それらしいメールを目にすると、思わずヒヤッとするものです。

今回の記事では、私自身が実際受信して「危ない」と感じたフィッシングメールとその対応についてご紹介します。

目次

メーリングリスト宛に届いた1通の怪しいメール

2026年8月27日(木)の朝に、業務を開始すると1通の怪しいメールを受信しました。宛先は、【会計部】とあります。弊社に会計部はないので、この時点で、まぁ、怪しいんですよね。また、署名に弊社代表の玉置慎一の名前があります。【会計部の玉置】はおりませんので、この時点でほぼ間違いなく攻撃メールです。

さらに、「123.PDF5.zip」と言う怪しいファイル名のzipファイルとともに、添付ファイルを開くよう指示があります。指示があっても、もちろん、すぐに開かないでください。

届いたメールはこのような内容です。

ここで、ヒヤッとしたのが、宛先が私個人ではなく、【メーリングリスト】であった点です。このメーリングリストには、複数人のメンバーが入っております。もしかすると、誰かが開くかもしれません。

そのため、すぐに別のチャネルを使って、メンバーにファイルを開かないように共有しました。幸い、この時点で開いたメンバーはおりませんでした。

SIRTへの報告

このメールは明らかに怪しかったため、すぐにSIRTへ報告しました。弊社にはいくつかの報告チャネルがありますが、今回は普段の標的型攻撃メール訓練でも使用しているWebのチャネルから報告しました。

弊社では3ヶ月に1回、標的型攻撃メール訓練を実施しています。訓練のたびにSIRTへの報告を行っているため、今回も迷うことなくスムーズに報告できました。

報告後、SIRTではすぐに他のメンバーへの受信状況を確認し、メールを開かないよう対処してくれました。これでひとまず安心です。

実は、このメール以外にも類似のメールがいくつか着弾していたようです。最初の報告をきっかけにそれらにも気づくことができ、開封される前に削除することができました。

開封確認の要求

もう一つヒヤッとした点は、「Outlookの開封確認の要求」がついていた点です。

このようなポップアップが表示されます。おそらく攻撃者の意図としては、受信者がメールを開いたことや、有効なメールアドレスであることを確認したいのだと思います。

普段、開封確認の要求がついたメールを受信しないので、え?なんか感染した?って思いました。少しヒヤッとしましたが、調べてみるとこれはOutlookの標準の機能でした。表示されたからといって感染を意味するものではありません。

ただし、送信に応じると相手に通知が返る可能性があるため、安易に送信せず、この点も含めて焦らずSIRTに報告しておきます。

Fromアドレスは、実在のメールアドレスのようでした

今回のメールのFromアドレスは、【会計部】と書かれていましたが、メールアドレス自体に不審な点はありませんでした。調べてみると、実在の会社のメールアドレスのようでした。

弊社とは取引もありませんので、その会社が送ったとは考えづらく、おそらく攻撃に利用されたものと思います。

以前の記事にも記載しましたが、DMARC、SPF、DKIMは送信ドメインのなりすまし対策として有効です。これらを適切に設定していない場合、自社ドメインを悪用されるリスクが高まります。一方で、表示名の詐称や類似ドメインの悪用などは別途対策が必要です。

まとめ

今回のケースは メーリングリストに送られた ことで非常にヒヤッとしました。日頃の訓練の賜物か、開いた人がいないことが幸いでした。さらに、SIRTに報告することで、類似のメールにも対応することができました。

  • 実在するメールアドレスを利用される
  • 代表の名前を語る
  • メーリングリストに対して送られることで、多くの人がターゲットになる

このような攻撃は 技術的対策で一定程度は低減できますが、それだけで防ぎ切るのは困難です。

  • 日頃の訓練で、標的型攻撃メールの存在を常に周知すること
  • 何かあればSIRT報告窓口に報告すること
  • SIRT報告窓口が全従業員に周知されていること

が効果を表します。

訓練サービスの紹介

弊社では、3か月に1回程度の頻度で標的型攻撃メール訓練を実施しています。今回もその成果があったと言えます。

弊社でも利用しているSaaS型の標的型攻撃メール訓練サービス【Selphish】では、最新の事例を基にさまざまなテンプレートを用意しています。上述した訓練用テンプレートもございますので、ぜひ訓練に活用いただければと思います。

訓練実施を委託いただくことも可能です。最新の攻撃事例に沿った攻撃シナリオで訓練を実施される場合は、委託型もご検討ください。

この記事を書いた人
松田 康司

株式会社神戸デジタル・ラボ
デジタルビジネス本部 Securityチーム オーナー / 生産技術チーム

神戸大学情報知能工学科卒。2014年にKDLに入社。自社で構築するECサイトのほぼすべてのプロジェクトに関与しながら、多くの開発プロジェクトを経て、現在はSecurityチーム オーナーと全社のセキュア開発を推進する生産技術チームを兼任。開発部門主導のセキュア開発を実践している。
コミュニティ活動として、OWASP Kansaiボードメンバー、アルティメットサイバーセキュリティクイズ実行委員を務める。

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